近所のフォード屋さんから車が消えた

近所(て程でもないが)にフォード屋さんがあって、結構敷地が広く相当な数の車が展示されていたのだけど、こないだ通ったらすっかり車が無くなってFORD臭が一切しないただの空き地になっていた。

やや!何事!移転でもしたのかな?って思ってたんだけど、調べたら結構前からニュースになってた。

フォードが日本撤退

フォードが日本から撤退するらしい。下記リンクは、2016年1月東洋経済オンラインの記事。

フォード撤退、日本市場は見捨てられたのか【東洋経済オンライン】

撤退の理由は当然ながら日本市場での不振。

フォードは「収益性を改善する合理的な道筋がなく、投資に見合うリターンが見込めない」ことを理由に撤退を決めたと説明する。

さらに

日本の自動車市場が縮小していることや、国産メーカーが支配的で輸入車シェアが低いことを指摘している。

と続く。しかし、ベンツやBMWは日本市場に対して上記のフォードとは違う見方をしている。

まずは、全体的な見方はどうか。

実は、欧州車ブランドは日本で販売台数を伸ばしており、国内新車販売のうちの輸入車の割合を「今の6%から10%に伸ばせる」(日本輸入車組合のペーター・クロンシュナーブル理事長)と、今後も成長は続く見通しだ。

という情報からすると、輸入車全体では今後4%の伸びを見込んでいるということだ。中でもベンツとBMWは強気。まずベンツ。

2015年に6万5000台を販売し、フォルクスワーゲンを抜いて輸入車シェア首位となったメルセデス・ベンツは、輸入車デビュー層にも買いやすいコンパクトな低価格帯の車種を拡充し、販売台数が伸びた。

また、BMWはどうか。

輸入車シェア3位のBMWでは、コンパクト車「2シリーズ アクティブツアラー/グランツアラー」の販売の7割を国産車からの乗り換え客が占めており、「日本市場はまだポテンシャルがある」(BMWジャパンのペーター・クロンシュナーブル社長)という。BMWは今夏に50億円超をかけた体験型の販売拠点をお台場にオープンする予定で、顧客の裾野を広げるマーケティングに惜しまず投資している。

「50億円を掛けた体験型の販売拠点」というのは、間違いなくTokyo Bay Frontのことでしょう。しかしすごい金かかってんな。

ベンツとBMWに共通しているのは、Aクラスや1シリーズ、2シリーズなど比較的安価なモデルを投入することで、国産車のシェアを奪っているという事。これは、元々高価で手の届かないと見られがちな欧州車ならではの戦略と思う。憧れのベンツ・BMWに乗れるとなると、セグメントを下げてでもプレミアム感のある車を購入しちゃいますよね。うまいこと消費者の心理を突いていると思う。

FORDは元々高級というイメージがなく、「アメ車」でひとくくり。「アメ車」のイメージはつまり、「燃費悪い」「故障しやすい」「造りが雑」などでは。欧州車もそのイメージが無いわけではないが、それらデメを補って余りあるほどのプレミアム感があった。

その結果、販売では欧州車に水をあけられてしまい、日本市場からの撤退となったのでは。

しかし一口に撤退というとあっさりしたもんだけど、その裏には下記のような状況も発生しているわけで…

10店ある直営ディーラーはすべて閉鎖し、42店の独立系ディーラーとの契約も終了することが決定。日本拠点の従業員292名は職を失う。

つくづく、資本主義というのは冷酷な結果を生むものだ。転職が文化として根付いている日本以外の国なら良いが、ここは日本。次の職場が無事に見つかることを祈るばかり。

スポンサーリンク
スポンサードリンク
スポンサードリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です