ランフラットタイヤとラジアルタイヤの価格比較をやってみた

 ランフラットタイヤとは

ランフラットタイヤとは、空気圧がゼロになっても時速80キロで80㎞走行可能なように設計されており、パンクしても近くの修理工場までは何とか走れます。但し、パンクしたかどうかが分からない為、通常はプレッシャーモニタリングシステムとセット です。従来のようにパンクした瞬間にハンドルが取られて路肩に停止、車がびゅんびゅん通っている横でスペアタイヤ交換という恐ろしい作業をする必要がありません。軍用車両なんかは切実ですよね。銃弾飛び交う中でタイヤ交換というリスクを回避できます。

理屈としては、タイヤのサイドウォール(車を横から眺めた時に見える部分)に補強材が入っており、空気が抜けた後はここの強度で車重や慣性を支えます。

ランフラットタイヤのメリット

先述の安全性向上というメリット以外に、スペアタイヤを積まないという事が数々のメリットを生み出します。

  • 省資源化:スペアタイヤそのものを製造しなくてよい。
  • 軽量化:余分なスペアタイヤを積まない
  • 省スペース化:スペアタイヤを積んでいたスペースが丸々空く

上記はランフラットの売り文句としてよく言われるものですが、軽量化=燃費が向上というのは疑わしいと思います。というのも、ランフラットタイヤ自体が普通のタイヤより重いのです。調べると、ラジアルタイヤよりも1本3キロほど重いようですから、4本で約12キロ重くなるのです。一方、タイヤ1個の重量は、だいたい12-15キロ。つまり、ランフラット化してスペアタイヤが不要になっても、ランフラット自体の重量増との相殺であまり変わらないと言えます。1-2キロくらいの差なら、ダイエットしましょう!

ランフラットタイヤのデメリット

一方で、そんなに良いものならすぐにでも普及しそうなものですが、現状メジャーどころで採用しているのはBMW、レクサス、GT-Rくらい。やはりデメリットがあります。

  • 高価格:タイヤ自体が高価であるのと、タイヤ圧モニタリングシステムが必要
  • 操舵性:バネ下重量が増えるため、操舵性が悪化
  • 快適性:サイドウォールが硬い為、乗り心地がごつごつして悪い(バネ下重量増も影響)
  • 冬季走行:スタッドレスの国産ラインナップが少ない

BMWは2003年の5シリーズを皮切りに、全ての新車にランフラットタイヤを標準装備しています。思い切った事をしたもんですね。しかしそのおかげでランフラットの改善も進んでいますから、BMWが自らランフラットの普及のために犠牲になった格好です。

昔はランフラットの出来が悪く乗り心地が悪かったようですが、近年はずいぶんと改善されているようです。

昔は空気圧がゼロになっても200キロ程度は走行可能な設計だったらしいのですが、サイドウォールがゴリゴリのマッチョになって乗り心地が悪すぎた為に、80キロ程度に抑えて乗り心地を改善しているそう。本質的な改善ではないところが、残念ですが。

ランフラットタイヤの価格は?

さて、ランフラット使用者にとって気になるのは、やはり費用ですよ。車検の時にタイヤ交換をするとおいくらになるのか?私のような小市民は、気が気でないです。1万円でも安く済ませたい。

私のタイヤサイズでの価格を比較しました。タイヤサイズは下記の通り。Mスポーツの18インチ仕様です。

  • フロント:225/45R18
  • リヤ:255/40R18

価格一覧と、同等グレードのラジアルタイヤ価格を並列して比較すると…。

フロント

フロント 225/45R18 ランフラット ラジアル 価格差
メーカー 品名 価格 品名 価格
ブリジストン POTENZA S001 RFT 30800 POTENZA S001 24100 6700
グッドイヤー EfficientGrip RunOnFlat 45360 EfficientGrip 18360 27000
ピレリ CINTURATO P7 20300 CINTURATO P7 18300 2000
コンチネンタル ContiSportContact 5 SSR 35110 ContiSportContact 5 27010 8100
ミシュラン Primacy 3 35700 Primacy 3 17900 17800

フロントは、ピレリが20,300円と最安値。同ラインのラジアルとの値差が2,000円と、不安になるほどの安さ…

リヤ

リヤ 255/40R18 ランフラット ラジアル 価格差
メーカー 品名 価格 品名 価格
ブリジストン POTENZA S001 35800
グッドイヤー EfficientGrip RunOnFlat 46437 EAGLE F1 ASYMMETRIC 2 35230 11207
ピレリ CINTURATO P7 29500 Pゼロ 30672 -1172
コンチネンタル ContiSportContact 5 SSR 23990 ContiSportContact 5 CSC 32800 -8810
ミシュラン 0

リヤはサイズがレアという事もあり、極端に玉数が少ない…しかもラジアルの方が高いという逆転現象が起こるというわけのわからなさ。

まとめ

値段、結構バラバラだなー。あと、リアのラジアルタイヤが高い。このようなマニアなタイヤサイズは、元々値段が高いのかな。

例えばパンクした際の費用を考えてみる(比較するだけなので、タイヤ交換工賃は考えない)

ラジアルの場合

初期投資 フロント:2万円x2+リア:3万円 x 2=10万円

パンクしたら ⇒ パンク修理キット(約5千円)で補修可能

ランフラットの場合

初期投資 フロント:3万円x2+リア:3万円 x 2=12万円

パンクしたら ⇒ 補修不可、全部交換 12万円

※追記※
ランフラットがパンクしても補修は可能だ、とのご指摘を複数のコメントでいただきました。
ありがとうございます!若干修正してます。

ラジアルもランフラットも、初期費用は10万円程度ですが、ランフラットはパンクしたら補修できないため、タイヤの山が減っていたら最悪全部交換。さらに、乗り心地悪化、操舵性低下。むむむ…

元々ランフラットは、アウトバーンでパンクした際に、タイヤ交換をしなくて済むように開発が進んだらしい。時速200キロで車が走っている道路わきでタイヤ交換なんて、命がけもいい所ですからね。つまり、ランフラットが本当に有効な環境が日本と異なる訳でして、一般道でパンクしてもすぐにJAF来てくれるし、高速道路も時速100キロ以上では走らないし、ランフラットをわざわざ履く必要ないよね、と割り切ってしまえば、ラジアルタイヤ化してもいいのではないでしょうか。

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コメント

  1. 周吾郎 より:

    320Dツーリング 1泊2日夏の猛暑に旅行して思ったこと
    今回初めて、後部座席に乗ってみた。
    この夏の猛暑、エアコンの危機が悪いこと悪いこと。
    シートがレザーなので、おしりとふとももが暑い暑い、汗もかいてきて、中央口からの吹き出しでは、ちょっと間に合わないかもしれない。
    運転席と助手席は、快適でいいのだが、改善していただきたい点では、ないだろうか。

  2. 周吾郎 より:

    320Dを乗っていて最近気づいたこと
    百貨店や立体駐車場に駐車していて思ったことがある。
    BMW(いわゆる外車)に乗ったのが初めてだが、横屋前に駐車しているのは、すべて高級車とゆうことに気付いた。
    BMW、ベンツやレンチローバー、レクサスなど、1泊2日の旅行だけでなく、たまたま偶然なのか高級車が多い。

    そう思うのは、私だけであろうか?

  3. TA より:

    後部座席のエアコンの効き、悪いですよね。吹き出し口が肘掛の後ろしかないという…
    前席の吹き出し口の方向を工夫して何とかやってます笑

    場所によって高級車が多かったり少なかったり、は全く同意で、私の住む田舎には圧倒的に高級車が少ないです。
    せこくて感じ悪い運転をする人も多い…

  4. yi より:

    ランフラットタイヤですが、パンクしても修理出来ましたよ。ディーラーで修理しました。直してから20000キロ位走りましたが何の問題も無いです。

    • TA より:

      え、ランフラットってパンクしても修理できるんですね。貴重な情報ありがとうございます!

  5. 最近E90からF30 320dに乗り換え より:

    E90の時2回パンクしタイヤ館で修理し溝が浅くなる最後まで使いましたよ。たまにパンク修理しているとき車にはねられ死亡したというニュースをみます。大事な用でむかっている時 深夜 大雨 山中 トンネル 高速道路でパンク修理することを考えるとBMWはすばらしい会社と思います。もう普通のタイヤのクルマは運転したくないです。

    • TA より:

      コメントありがとうございます。
      ランフラットでも修理できるというのは朗報です。
      高速道路脇でパンク修理するのは自殺行為ですよね。
      高速道路を走るときは家族が乗っていることが多いので、
      家族の安全を守る意味でもランフラットはありがたいですよね。

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